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心電図・筋電図・眼電図―。生体からは微弱ながらもさまざまな電気信号が発せられています。脳波もそのひとつで、脳から生じる電気活動を観察したものです。伊賀崎准教授の所属する医用生体工学研究室では、これらの電気信号を視覚化・数値化して、医療分野にフィードバックすることを研究テーマのひとつとしています。
伊賀崎准教授は神経内科医と共同で、筋萎縮性側策硬化症の患者さんの意思伝達を図るための医療機器の開発に取り組んでいます。筋萎縮性側策硬化症は、運動神経が障害され筋肉が萎縮あるいは筋力が低下し、それによって「食べる・呼吸する・話す」ことができなくなる進行性の難病です。根本的な治療法も見つかっていません。
伊賀崎准教授によると「筋萎縮性側策硬化症の患者さんたちは、どうにかして自分の意思を伝えたいと強く思っています。病状が重くなければまばたきや奥歯を噛むといった動作を利用して意思の疎通が図れますが、病状が進むとそれすらできなくなります」。伊賀崎准教授が取り組んでいるのは、患者さんがまばたきなどもできなくなった場合、障害されていない脳波を使うことで意思を伝達しようという研究です。

「刺激によって引き起こされる脳波には特徴があり、反応はごく微小ですが、刺激から反応までの時間が決まっています。また、刺激に対して認知や判断が行われると、刺激による反応とは別の反応が現れます。この原理を応用し、認知や判断による反応をコンピュータで抽出してあげると、脳波によって意思を外部に伝えられるわけです」と伊賀崎准教授は語ります。すでに、機器のプロトタイプが完成し、今後は実用化へ向けて新たなステップを踏み出します。
伊賀崎准教授は「高校までは答えがあって、それに向かっていくことが求められましたが、大学では自分で答えを創り出すことが重要になります。ぜひ失敗を恐れず、チャレンジ精神を持って大学生活をエンジョイしてもらいたい」とアドバイスしています。